刊行物詳細

平成21年8月の新刊紹介

2009年08月31日

角川文化振興財団 編集・製作
news00000065.jpeg西住三惠子句集 『鬼すべ』

第一句集・「白桃」同人

私は、太宰府市にお住いの三惠子さんに、太宰府天満宮の行事を中心に、周辺のことごとくを詠んでもらいたいと、ひそかに思っていた。
ゆるみのない正確な把握と正しい表現を備えている三惠子さんの作品世界の豊饒はいよいよである。俳句は、このような巧者によって少しずつ拓かれてゆくものと思う。
(伊藤通明)

 

 

●伊藤通明 選 十句
放心の果てのなまこの縮みけり
ひとまはりして寺冷の中にあり
飛梅の幹の一つの裂けてゐし
にこにこと猫で手を拭く草取女
雨となる夜や白魚の卵とぢ
好きな人の悪口すこし茗荷の子
空蝉のすがりてゐたる不安の木
馬追の腰高にして雨もよひ
みなどこか歪みて城の大桜
一徹を貫く夫の年納め