刊行物詳細

平成21年12月の新刊紹介

2009年12月28日

角川文化振興財団 編集・製作
news00000069.jpeg須川洋子句集 『水菓子(みずがし)

第三句集・「季刊芙蓉」主宰

私の母代わりであり、俳句の直接の師である須川洋子氏は俳句のために、俳句を愛するみんなのために全精力を注いできた。
古今東西の人間共通のテーマ「生きること」について、さらりと、しかし深く追及しているのがこの『水菓子』である。出版を心より祝いたい。
(ドゥーグル・J・リンズィー)

●自選 十句
涼しさうな顔してすごいことを言ふ
色悪(いろあく)にちよつとときめき心太
きさらぎや切つてしばらくありて血が
曼珠沙華天からひつぱられて咲く
複雑になるのが嫌やでチューリップ
くだものを水菓子と言ひき父の日来
大根の未知の断面つぎつぎに
マイクでも使ひゐるかに牛蛙
集まつて恐い話を夏休み
秋は夕暮ケータイから目を上げよ


◆山本則男句集 『仏法僧(ぶっぽうそう)

第一句集・「白桃」同人

心に思い定めたものが一つになり、さらに自在感を加えつつ則男俳句は展開されている。
芭蕉の「句姿ととのふなれば表現仔細なし」である。さらに期待する所以である。
(伊藤通明)

●伊藤通明 選 十句
胸奥の仏法僧を鳴かしゐる
春泥の踏みあやまりし道ばかり
あめんぼう平らな水に平らなる
寒蝉や父のかたちの骨あげし
天上のおだやかなりし蟻地獄
なでられて馬育ちゆく雲の峰
山国のこがらし山を大きくす
風はまだ母に冷たし桜餅
梅白し宰府に住みしこころかな
灯の中の観世音寺の除夜の鐘