刊行物詳細

高倉やえ 小説『星月夜(ほしづくよ)』

2013年08月09日

生き迷い揺れ動く女たちの、
時代とこころをすくいとった新しい珠玉小説、誕生!
繊細で瑞々しい3作品を収録。
深い森の中の皇居で、高台に建つ仮設住宅で、
〈子供を守る世界協会〉の活動の場で、
いまを想い、明日を願う―――
 

 

「皇居」

天皇皇后ご夫妻の夕食会に皇居に招かれた私。そこには穏やかで麗しく優しく流れる時間があった。

 

「波の音」

津波で家族を失い、仮設住宅にひとり暮らす静子は、女のすすり泣く声を聞いた。乞われるまま女を家に招き入れ、話を聞くと、遠い昔の、ある悲しい三面記事が蘇ってきた。

 

「星月夜」 

50歳を前に、人に役立つ何かを始めたいと思う良子。夫を亡くし、伯父のコンサルタントの仕事を手伝う日々。やがて、アメリカの製薬会社のロビィスト・ガウディの事務所に勤めるようになり、あるシンポジウムに出席する。そこで良子は、〈子供を守る世界協会〉の医師・洋子と知り合った。彼女は悩みながらも、貧困と病に苦しむアフリカの子どもたちのために、駆けまわっていた。いまのままでいいのだろうか――、空洞を抱えるふたりのこころが交差し、新しい旅立ちが始まった。

 


【著者プロフィール】
1937年生まれ。東京女子大学英米文学科卒業後、結婚。二人の娘に恵まれる。

1983年、通訳者養成学校ISS(現・ISSインスティチュート)卒業。以後、会議通訳として働く。

著書に、小説『天の火』(梨の木社、2011年)。

 

●定価1,500円(税別) お求めは、amazon.co.jp
●四六判/上製/カバー装/200頁
●装釘:大武尚貴

 

中原道夫 句集『百卉(ひゃくき)』

2013年08月09日

 

主宰誌「銀化」創刊15周年――
風狂の遊士、俳諧の新境地を拓く第11句集。
平成23年・24年の459句を収める。

還暦も過ぎ、押しも押されもせぬ 老人 の仲間入りをした。
老人大國の日本では殆ど無意味の状況だが、世間がシルバー
と認めたのだから、そろそろ私も殘りの 持ち時間を考へねば
なるまい。このまま天災や有事を憂ひて窘縮してゐては、目
指す「俳」も「諧」も覺束ないであらう。――著者「あとがき」より

 

●収録句より
相續に日當りも入れ枇杷の花
あとかたも殘さじと雪炎の中へ
ゆふだちのころはいづこにをりしかと
秋霖の百卉濡らして濡れぬもの
堰に来て水薄くなるつばめかな
ざわつかぬものなしむかでのおでましに
堪へがたき星のかむさる捨案山子
都々逸をマスクの中で復習ひたる

 

【著者プロフィール】
1951年、新潟県西蒲原郡に生まれる。
多摩美術大学卒業。
「沖」に投句、能村登四郎に師事。1990年、第13回俳人協会新人賞受賞(句集『蕩児』)。1994年、第33回俳人協会賞受賞(句集『顱頂』)。1998年、「銀化」創刊、主宰となる。
句集はほかに、『アルデンテ』『銀化』『歴草』『中原道夫俳句日記』『不覺』『巴芹』『緑廊(パーゴラ)』『天鼠』。

 

●定価3,000円(税別)
お求めは、
amazon.co.jp または「銀化」発行所(TEL03-3451-0313)へ
●菊判変型/上製/カバー装/248頁
●カバー写真:鬼海弘雄 ●装釘:間村俊一