本文庫は、外間守善氏から当財団に寄贈された、氏の収集になる、貴重な沖縄・沖縄学に関する資料の集成です。
第2次世界大戦において沖縄戦をかいくぐった外間氏は、伊波普猷をはじめとする沖縄研究の先覚者たちと、戦後の新しい研究者たちとを結ぶ世代に属します。そのような世代的な役割とともに氏は、沖縄出身の研究者として、沖縄と他の地域との関わりをみつめ、連繋を強め、内外の研究者に情報を発信するつとめを果たしてきました。 現在整理が進んでいる外間文庫は、戦後の沖縄研究における外間氏の、そのような役割を表徴するものです。
図書・雑誌資料は、沖縄の言語、文学、民俗、地理、歴史、宗教、芸術など幅広い分野をカヴァーしています。
昭和20年代から集められた収集資料は、現在では入手できない稀覯本も多く含まれています。なかでも沖縄研究を拓いた先覚の伊波普猷、仲原善忠らから、その活用を期待されて委ねられた手沢本の数冊は、記念碑的なものです。
外間氏の専門分野である日本語学・方言学の基本図書はいうに及ばず、沖縄を中心にした世界各地の40有余年にわたるフィールドワーク資料等々も、世界に広がりつつある沖縄学の支えとなるものであり、後進により広く活用されていくでありましょう。
沖縄最古の古典『おもろさうし』研究資料は、数的にも多く、質的にも勝れてまとまっており、他図書館ではみられないもっとも特徴的なものです。
なお、外間守善文庫のご利用は、沖縄学研究所の賛助会員に限らせていただいております。
外間守善(ほかま しゅぜん)氏
沖縄県那覇市出身。國學院大學文学部国文学科卒業、東京大学文学部言語学科研究生修了。文学博士。法政大学名誉教授、沖縄学研究所所長、沖縄文化協会会長、沖縄県立芸術大学客員教授。名桜大学理事・評議員・客員教授。
長年にわたって琉球方言、『おもろさうし』、さらに南島全域(奄美・沖縄・宮古・八重山)にわたる神歌の研究に取り組み、それぞれに研究の成果を結実させる一方、沖縄の歴史・文化・言語・文学・思想等、沖縄学に関する多数の著書を刊行。昭和42年(1967)、沖縄文学の研究によって、朝日学術奨励賞を受賞。
昭和43年(1968)には、法政大学に日本初の沖縄学講座(大学院・大学)を新設、担当。同47年には、同大学に沖縄文化研究所を創設、副所長・所長を歴任した。同55年(1980)、南島歌謡の研究によって伊波普猷賞(沖縄タイムス社)を受賞(共同受賞)。
また、氏を中心に運営する沖縄文化協会の月例研究会は50余年に及び、沖縄各地での島おこし文化講演も400回を超える。
琉球大学宮古諸島学術調査、九学会連合の奄美調査、法政大学久米島調査および久高島調査等の委員長をつとめ、常にフィールドワークを意識した研究活動を行ってきた。さらに、沖縄研究国際シンポジウムを20余年にわたって企画、実行、沖縄学を世界に開く契機をつくり、沖縄研究の普及につとめている。
平成7年(1995)には、沖縄研究の集大成として『南島文学論』を上梓(角川書店刊、角川源義賞受賞)。同年、もうひとつのライフワーク、『沖縄古語大辞典』(共編、伊波普猷賞受賞)を完成、角川書店から刊行した。
主な著書として、『校本おもろさうし』『おもろさうし辞典・総索引』(仲原善忠との共編、角川書店)、『おもろさうし』(日本思想大系18 岩波書店)、『南島歌謡大成』(総編集 全5巻 角川書店)、『沖縄の言語史』(法政大学出版局)、『うりずんの島』(沖縄タイムス)、『沖縄の歴史と文化』(中央公論社)、『海を渡る神々』(角川選書)がある。
沖縄学研究所
当研究所は、沖縄研究を志すひとたちの研究発表、交流の場として、平成7年(1995)に設立されました。沖縄研究各分野の研究者、学生、社会人等、幅広いかたたちが集まり、 月に1度の研究発表会、紀要「沖縄学」と「所報」を発行(年1回)、図書の発行、沖縄学セミナーの開催(毎年秋)、沖縄の歴史・文学の旅、さらには、国内外への研究・調査旅行の企画など、活発な活動をつづけております。詳細は、研究所(03−5366−2132)へお問い合わせください。
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