角川全国短歌大賞(主催:株式会社KADOKAWA 角川学芸出版)

「第5回角川全国短歌大賞」結果発表!

平成25年5月24日から8月31日まで募集を行い、全国各地はもとより遠くは海外から応募総数6203首(自由題4536首・題詠1667句)のご応募をいただきました。

中央選考委員の岡井隆、佐佐木幸綱、馬場あき子の3氏(50音順)、都道府県選考委員22名、及び角川全国短歌大賞審査委員会の協議により、各賞が決定いたしましたので、発表いたします。

特別賞
大賞

右耳を隠し眉間に皺寄せたゴッホの耳に蝶を乗せたい

三重県/伊藤 里奈

題詠 大賞

ゆうらりと浅瀬の流れに身を任せ恍惚として水浴の蛇

長野県/市川 エツ子

準賞

今ぼくのこころの枝に留まりたる蜻蛉のような音楽がある

東京都/萩原 慎一郎

ほとばしる蒼き叫びに蓋をして羊のごとく通勤バスに乗る

千葉県/橘 まゆ

題詠 準賞

ただ一つの水持つ星が被曝せりこたびは海辺の町を汚染し

大分県/宮武 千津子

シャープ賞

開くべき扉が先で待つように群れを突き抜けゆくラガーマン

兵庫県/泉 香代

題詠 シャープ賞

クロールで泳ぐあなたの両腕に水の翼が絶えず煌めく

三重県/伊藤 里奈

角川学芸出版賞

もの食むとふ三度の行をなし終へて素数のわれにかへる湯の中

茨城県/和田 智子

題詠 角川学芸出版賞

水辺にはニーチェのような鷺一羽立ちておりたり葉月の夕べ

新潟県/星野 秀子

与謝野晶子短歌文学賞姉妹賞

図書館は古紙の匂いが満ちあふれ一人ではない一人の時間

栃木県/馬淵 のり子

WEB賞

「晴れたよ。」と切り取られた空が届く そっちのほうが青いんだね今

静岡県/中島 弘恵

※「WEB賞」はインターネットからご投稿いただいた作品を対象に贈られます。

奨励賞

おむかえがなかなか来なくてと言えばこちらでお迎えしますと主治医

静岡県/渡辺 つぎ

横書きの短歌のようで馴染むには時間が要るよ娘婿とは

徳島県/森本 順子

悪夢とは覚めるにあらず夏草のうねりのむこうに三陸の海

秋田県/櫻田 勢子

題詠 奨励賞

水球のまうしろあたりに一人住む君眺むるやこの三日月を

ブラジル/小濃 芳子

透きとおる水面に黒き影うつし静かな村をオスプレイ行く

沖縄県/諸見 美枝子

黒まぐろひゆぅぃひゆぅぃと水くぐる命のかぎりしぶきたてつつ

福岡県/村井 斐

特別賞のほか、自由題選者特選・秀逸・佳作、題詠都道府県賞は『短歌』平成26年1月号に掲載しております。

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