遣唐使船再現プロジェクト

遣唐使船再現プロジェクトについて

平成22年(2010年)が「平城遷都1300年祭」にあたり、5月に上海万博が開催されることを機に、弊財団では遣唐使について学術的に検証し、併せて日中の新たな文化交流のきっかけをつくるため、当時の遣唐使船を再現しました。
再現遣唐使船は、住吉大社の神職による清祓式の後、大阪を出港し、当時の遣唐使船同様瀬戸内海と九州北部の各地に寄港しながら、五島列島、長崎まで航行、その後、中国をめざし、上海万博会場近くの埠頭に着岸、6月12日のジャパンデーには万博会場に姿を現しました。
また、遣唐使とその時代をテーマとした、日中研究者らによる「春日大社シンポジウム」、関連企画として「楊貴妃の晩餐」展などを開催いたしました。



それから11年後の令和3年(2021年)5月7日。ついに長崎県にて、東京2020オリンピック聖火リレーが行われました。
聖火リレーに先立ち、長崎県庁南側の広場周辺にて、聖火を運ぶ「遣唐使船」走行直前ステージイベントが無観客にて開催されました。ステージイベントでは長崎県出身のシンガーソングライター・タレントのタナカハルナさんがMCをつとめ、 「遣唐使船」に乗船する聖火ランナーの小林充佳さん(西日本電信電話株式会社 代表取締役社長)のほか、平田研さん(長崎県副知事)、角川歴彦(公益財団法人角川文化振興財団 理事長)、崔龍さん(中華人民共和国駐長崎総領事代理)等が登壇。それぞれ聖火リレーへの思いや「遣唐使船」による聖火リレーの感想などが述べられました。
松竹衣装の協力により、遣唐使の時代の衣装に身を包んだ登壇者と背景に係留された「遣唐使船」とが重なって、さながら悠久の昔にタイムスリップしたかのような世界観となりました。
その後のトーチキスでは、遣唐使船の寄港地となった歴史的にもゆかりの深い五島列島出身の聖火ランナーの山田潤さんから、小林充佳さんに聖火がつながれ、「遣唐使船」は長崎県庁横の係留地点を出発。長崎水辺の森公園までの海路を約20分かけて航行し、聖火を運びました。

コロナ禍の開催にあって、海路による最も安心安全な聖火リレーを実現し、東京オリンピックに向けて希望の光をつなぎました。



概要

  • 名称
    遣唐使船再現プロジェクト
  • 開催期間
    平成21年(2009年)〜平成22年(2010年)6月
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