2025.08.25
文化施設

出版人・俳人 角川源義没後50年、角川武蔵野ミュージアム開館5周年 文化の力を未来へつなぐ記念展覧会・イベントをところざわサクラタウンと角川武蔵野ミュージアムで開催

 公益財団法人 角川文化振興財団(所在地:埼玉県所沢市、理事長:船津康次、以下 角川文化振興財団)は、株式会社角川書店の創立者である角川源義の没後50年ならびに角川文化振興財団の文化事業となる角川武蔵野ミュージアムの開館5周年を記念し、ところざわサクラタウン内の角川武蔵野ミュージアム(館長:池上彰)およびジャパンパビリオンにて2025年10月より順次、記念展覧会・イベントを開催いたしますので、以下の通りお知らせいたします。
 
 角川文化振興財団は、1976年2月、角川書店の創業者であり国文学者・俳人としても著名であった角川源義が、その前年10月に逝去したことを受け、その遺志に基づいて創設されました。設立以来50年の永きにわたり、文芸・美術・映像等に関する顕彰、助成、啓蒙活動を行ってまいりました。2020年11月には、文化・芸術の振興および個性豊かで活気ある地域社会の発展に貢献することを目的として、図書館・美術館・博物館を融合した複合文化施設「角川武蔵野ミュージアム」を所沢市に開館しました。
 本年2025年は、角川源義の逝去から50年、角川武蔵野ミュージアム開館から5周年にあたります。この節目の年に、角川文化振興財団は、改めて角川源義の足跡を振り返り、その志を未来へとつなぐ文化事業を展開してまいります。

角川源義没後50年・角川武蔵野ミュージアム開館5周年 関連プログラム


■記念講演会
池上彰講演会「角川源義と文化の復興」


「第二次世界大戦の敗北は、軍事力の敗北であった以上に、私たちの若い文化力の敗退であった」という文章で始まる「角川文庫発刊に際して」において、角川源義は「祖国の文化に秩序と再建への道を示し、この文庫を角川書店の栄ある事業として、今後永久に継続発展せしめ、学芸と教養との殿堂として大成せんことを期したい」と語っています。


<文化の力による「絶対平和」の実現>

「日本の文化が永遠に発展せしめらんこと」を願った角川源義の志と、その思いを空間として表現した角川武蔵野ミュージアムの将来像ならびにその志を踏まえた文化の復興について、昭和100年・戦後80年の節目の年に、同ミュージアム館長の池上彰氏が講演いたします。



【開催概要】

イベント名:池上彰講演会 角川源義と文化の復興
会場:ところざわサクラタウン ジャパンパビリオンホールB
住所:埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3
日時:2025年10月25日(土)
開場:12:30/開演:13:00~(最大15:00まで)
主催:公益財団法人 角川文化振興財団
【チケット】
・チケット販売サイト:https://t.livepocket.jp/e/3pzj7
・チケット発売日:2025年8月25日(月)13:00~
・チケット価格:1,000円(手数料別)/全席指定・1回2枚まで購入可


池上彰館長

池上彰館長





■特別展覧会①
 角川源義展


 角川書店創業者の角川源義は、1945年、敗戦の年に「出版を通して、美しい日本、懐かしい日本を人々に語りかけたい」という思いから、角川書店を創立。その後、角川文庫や昭和文学全集など数々の出版物を世に送り出します。さらに、師・折口信夫から受け継いだ国文学研究を通じて、日本の風土とともに生きた証を俳句に刻み続けました。
 本展では、「出版人」としてだけでなく、「研究者」「俳人」としても多大な業績を残した源義の58年の生涯を、出版・研究・俳句の三つの側面から辿ります。展示室全体を年表に見立て、人生の節目ごとに詠まれた俳句を手がかりに、その歩みを追体験することができるでしょう。


【展覧会概要】
展覧会タイトル:角川源義展
会場:角川武蔵野ミュージアム5階 武蔵野ギャラリー
住所:埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3 ところざわサクラタウン内
会期:2025年10月25日(土)~2026年3月30日(月)
営業時間:10:00~18:00(最終入館17:30)/休館日:毎週火曜
主催:角川武蔵野ミュージアム(公益財団法人 角川文化振興財団)
※一部美術作品の展示は2月末まで
チケット:KCMスタンダードチケット(オンライン(https://tix.kadcul.com/
・当日窓口で購入可)
一般1,400円/中高生1,200円/小学生1,000円/未就学児無料※本展覧会の他、当館のスタンダードチケットエリア(常設展エリア)をご覧いただけます。
※「1DAY パスポート」チケットなどでも本展覧会をご覧いただけます。


角川源義

角川源義

角川源義筆 「花あれば西行の日とおもふべし」

   角川源義筆
   「花あれば西行の日とおもふべし」





■特別展覧会②
 熊谷守一展


 明治から昭和までの97年という長い生涯を生きた洋画家・熊谷守一。はっきりとした線と明るい色彩で描かれる作品は「モリカズ様式」として親しまれていますが、その表現を確立したのは70歳を迎えてからでした。子どもの絵のように見える単純な形の中に、熊谷の見つめるいのちの厳しさや美しさが凝縮されています。

 晩年には日本画や書にも取り組み、油絵とは異なる偶然性やユーモラスな表現を試みました。角川書店の創業者・角川源義は、世評や名声に頓着しない熊谷の無欲な姿勢に共感し、自身の最後の句集『西行の日』の題字を託しています。

 本展では、熊谷が身近な自然や生き物を描いた油絵の代表作に加え、『西行の日』の題字をはじめ、「ほとけさま」「雪月花」など、自由奔放な書の世界をご紹介します。


熊谷守一 《桃》 1955年 熊谷守一つけち記念館所蔵

熊谷守一 《桃》 1955年 熊谷守一つけち記念館所蔵


【展覧会概要】


展覧会タイトル:熊谷守一展
会場:角川武蔵野ミュージアム4階 エディット アンド アートギャラリー
住所:埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3 ところざわサクラタウン内
会期:2025年12月20日(土)~2026年3月9日(月)
営業時間:10:00~18:00(最終入館17:30)/休館日:毎週火曜
主催:角川武蔵野ミュージアム(公益財団法人 角川文化振興財団)
出品協力:熊谷守一つけち記念館
特別協力:土屋禮一、柳ケ瀬画廊
チケット:KCMスタンダードチケット(上記と同様)



■その他の記念事業
「角川源義賞」 2026年に再開

 角川源義賞は、角川書店の創立者で古代中世文学の研究家でもあった角川源義の、日本文化振興への思念の一端を具現しようと、1979(昭和54)年に創設され、日本文学、歴史分野 における卓越した研究成果を対象に顕彰してまいりました。

 2021年よりコロナ禍により選考を休止しておりましたが、角川源義没後50年となる今年、新たに選考基準を見直し、2026年に選考を再開いたします。  

 今年より選考基準が変更になることに伴い、選考の日程は未定となっております。選考の詳細につきましては改めてお知らせいたします。

 また、角川武蔵野ミュージアムに隣接し、角川文化振興財団が運営する武蔵野坐令和神社も、今年創設5周年を迎えるにあたり、以下の特別イベントを開催いたします。


角川源義 1967年、俳句座談会

角川源義 1967年、俳句座談会





■武蔵野坐令和神社創建5周年記念 
「平野多恵講演会 はじめての千年和歌みくじ 神さまのメッセージをいただく」

 角川源義は日本の古典文学の研究者でもあり、源義が創業した角川書店は日本文学、特に俳句・短歌の普及に貢献しました。

 武蔵野坐令和神社の御祭神の「言霊大神(ことだまのおおかみ)」は主祭神の「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」と相殿の「素戔嗚尊(すさのをのみこと)」の総称です。「素戔嗚尊」は日本で初めて和歌を詠んだと伝えられている神様であり、和歌の始祖としても信仰されてきました。

 武蔵野坐令和神社オリジナルの『千年和歌みくじ』は、その日本最初の和歌から現代短歌まで、1300年を超えて選りすぐられた名歌64種からなるもので、日本古来の占いは神様のお告げを和歌で示していたことにならっています。

 今回は、『千年和歌みくじ』を監修いただいた、おみくじ研究の第一人者である成蹊大学教授の平野多恵先生に、おみくじの歴史、おみくじの引き方、『千年和歌みくじ』についてなどの興味深いお話を伺います。


武蔵野坐令和神社

武蔵野坐令和神社


千年和歌みくじ

千年和歌みくじ

平野多恵先生プロフィール:


平野多恵先生

平野多恵先生

富山県生まれ。成蹊大学文学部教授。東京大学大学院博士課程修了。日本中世文学、おみくじや和歌占いの文化史、アクティブラーニングによる古典教育の実践を中心に研究している。

【開催概要】

会場:武蔵野坐令和神社拝殿
日時:10月12日(日)14:00~15:00
料金:1,000円
受付:社頭・電話(04-2003-8702)
   申込フォーム(https://forms.gle/2gFaSAPgUy3BWHVT7
主催:武蔵野坐令和神社


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