歌集 シロツメクサを探すだろうに
山内 頌子
日常のさりげないひとコマを、やわらかな空気感で包み込む第二歌集
第一歌集『うさぎの鼻のようで抱きたい』から十三年、二〇〇五年から二〇一六年までの四二三首を収めた第二歌集。この間、思いもしないことが起きたりしたが、それでも誰の上にも
ひとしく流れた時間。叶わなかったことを数えてかなしまず、叶ったことを数えてしばられまい、と著者は思う。塔短歌会主宰・吉川宏志は「浮遊するような時間だが、日常の断片を思い出すとき、温かい光に包まれる。やわらかなリズムで、確かな風景を描き出す力。それが山内頌子の歌に強い生命感を与えている」と推す。