角川俳句コレクション 俳句の伝統――虚子と健吉
井上 泰至
真の意味での「新しさ」とは――高浜虚子と山本健吉の膨大な書物から繙く
俳誌「ホトトギス」で自らの圧倒的な作句力と選句眼を武器に「花鳥諷詠」を守り続けた高浜虚子。
「自由」を求める潮流に真っ向から抗い、俳句の「古典性」を解き明かし続けた山本健吉。
二人の功績が今の俳句史に与えた影響を「伝統」を軸として見渡す俳人必携の一書。
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本書は虚子と健吉という、「旧」のツートップから見た、近代俳句史であるが、今俳句にかかわる人間の中で、「新」の側に立とうが、「旧」の側に立とうが、今から語る俯瞰図とその根底にある「旧」のプログラムを知らずして、地に足をつけて俳句を語ることなどできないのである――本書「序にかえて」より
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【本書の内容】
◎序にかえて――二つの「現代俳句」、そして「伝統俳句」
◎山本健吉の歳月
桑原武夫への隠微な批判/小林秀雄 幻の小林論発見/福田恆存 伝統派の「同人」/高浜虚子 黙り通して勝った男/柳田國男 歳時記の縁/石田波郷 古典と競い立てたか?/加藤楸邨 芭蕉論の戦中戦後/中村草田男 健吉の「落丁」と誤読/金子兜太 祭りの後/飯田龍太 漂泊と望郷/森澄雄 「軽み」の同志/吉田健一 国際俳句への通路/西脇順三郎 存在の絶えざるおかしさ/折口信夫 警句・寓意・滑稽/角川源義 俳壇の五五年体制/付録 山本健吉「小林秀雄論」
◎虚子の遺産
生誕一五〇年の意味/俳人としての自己認識/虚子の風土/虚子の「わざ」/結社経営:成功の本質/国際俳句の扉:存問/離反した人たち:秋櫻子と誓子/虚子回帰の時代に:藤田湘子と三橋敏雄/余白の精神:俳句の本流/女性俳句/「花鳥諷詠」と社会/虚実と伝統
◎あとがき
装丁:大武尚貴