角川源義賞

第43回 受賞のことば・選評公開
  • 2022.01.12更新
    第43回 受賞のことば・選評公開
角川源義賞とは 受賞者一覧

受賞のことば・選評

第30回角川源義賞【歴史研究部門】受賞
『徳川後期の学問と政治―昌平坂学問所儒者と幕末外交変容』(名古屋大学出版会刊)
眞壁 仁
【受賞者略歴】
眞壁 仁(まかべ じん)
1969年、京都市生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。東京都立大学大学院社会科学研究科修士課程修了。東京都立大学法学部助手、日本学術振興会特別研究員を経て、現在、北海道大学大学院法学研究科准教授、ハーヴァード燕京研究所客員研究員。博士(政治学)。共著に『政治学のエッセンシャルズ』、『平和の政治思想史』など。

受賞のことば

眞壁 仁

 隣接分野の成果である拙著を授賞作に選んでいただき、心底から驚いています。無名な著者の作品に歴史学研究における意義を見いだし、評価してくださった選考委員の先生方のご決断に深く感謝申し上げます。本研究は、対象とした儒者の「知的世界」を再現するため、手探りで着手した各地の史料群調査に始まります。その作業が思いもかけず、幕末期にいたる対外政策形成過程への、幕府儒者の参与の一端を明かすことにつながりました。政治学においても中心から離れた周辺の研究ゆえ、まさしく大学院時代の先生方や関係者のご理解とご支援の賜物です。ぜひともこれを機に、拙著で扱った幕府儒者と学問所により広く光があてられ、関連諸領域の史料にもとづいた討究が進展することを願ってやみません。なお研鑽の途上にあり、今後もご批判を仰ぎつつ、周縁からの一挑戦者として山積する課題に応えて参りたいと思います。 


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